新しい働き方が進むwithコロナ時代
在宅勤務を取り入れてみて、
良かったことや困りごともさまざまです。
経験したから言える本音を
スタッフたちに語ってもらいました。
今はどんな働き方をしていますか?
S.M:2020年4月から基本的に在宅勤務です。3月くらいに遠方から通勤しているスタッフから順番に在宅勤務に切り替え始めていたのですが、最初の緊急事態宣言が出てすぐ、一斉に全スタッフ在宅勤務になりました。最初は2〜3か月程度を予定していたのですが、現在も継続しています。打ち合わせや使用する機材の関係でスタジオに行くこともありますが、ほとんどのスタッフが1年以上在宅勤務を行っています。※2021年8月現在
M.M:私は2021年4月に入社し、1か月出勤してS.Mさんから研修を受けました。そのあとは在宅勤務です。寝室のすみっこにちょうどいいくぼみがあったので、カーテンで仕切ってワークスペースにしています。こぢんまりとしていますが、落ち着いて制作が出来る環境です。
S.M:私は2階の自室で。とても集中して制作できるので、はかどりますね。子どもたちには「19時まで上がってこないで」と言い聞かせていますが、ミーティングしていると気になるみたいで、たまに映りこみに来てしまいます。(笑)
M.M:慣れてくるとだんだん目覚ましをセットする時間が遅くなってきました。「まだいける」って...
S.M:ギリギリまで寝ていられるからね!でも、最初はギリギリに起きて普段着のまま制作していたのですが、少しずつモチベーションが下がっているのが分かりました。メリハリが付けられないというのも考えものですね...
M.M:そうなんです!なので、少しかっちりした服を買いました。「これはお仕事用」と決めて着替えるようにして、オンとオフの区別をつけています。
S.M:あ、ほんとに?私も最近同じことをしてるよ。あとは10分太陽に当たると良いと聞いて、起きたらベランダで日光浴することにしています。
M.M:私も朝、散歩に出るようにしています!仕事とプライベートの間に、一回切り替えを入れるって大切ですね。
在宅勤務でよかったこと、困ったことはありますか?
S.M:やっぱり通勤がないのは楽ですね!天候も交通遅延も気にしなくていいですし。それに昼休みに15分横になって仮眠を取れるので、午後の作業効率が上がりました。終業後3分でお風呂にも入れるんですから体力的に助かっている部分は多いです。
M.M:私は入社1か月後から在宅勤務なので、以前と比べての良し悪しは分かりません。スタッフの皆さんともオンラインで顔は合わせて、よく声もかけてもらっているのですが、対面でお会いしたことがほとんどないんです。だから顔は知っているのに、実際に会うことがあるとすっごく新鮮で!(笑)
S.M:一番のネックはそこですね。オンラインツールがあるので、直接会えなくても仕事はできるんです。でも圧倒的にコミュニケーションが減っていて、雑談や情報共有がいかに重要だったか思い知らされます。今までスタジオ内にいれば、新しいツールや開発のノウハウを耳にすることもあったし、昼休みや終業後に誰かが共有スペースで新作ゲームをプレイしているのを覗いては、なんとなく得ていた情報も自分でアクセスしにいかないと手に入らない、とか。
M.M:言われてみれば、私はスタッフのみなさんとの雑談経験がまだないです。社会人としてやれているのかとか、小さな疑問がふわふわ漂うままになっている気がします。
S.M:そうだよね。同じ空間にいたり、ランチや飲みに行って仕事の事や趣味の話をしたり...日常の中で分かりあっていたことがなくなって、私でさえ他のスタッフが今何を考えているのか見えづらいから。
M.M:S.Mさんでもそうなんですか?
S.M:もちろん。スタッフ同士の会話も多い会社なので、よけいに寂しく感じるのかもしれません。飲み会も今はオンラインなのでみんなでガヤガヤ...とはいかないから。少しずつ工夫を重ねていますが、やっぱり早く会えるようになりたいですね。
2020年、21年入社の方の対応はどのようにしていましたか?
S.M:2020年入社の新入社員は入社3日目から在宅勤務になりました。なので今年は1か月間少人数が出勤し、スタジオのルールやシステムの研修を行って少しでも慣れてもらってから在宅勤務を始めようということになりました。
M.M:私の世代はスマホネイティブなので、実は作業用パソコンの扱いにも慣れていないんです。ですから今でも扱いに困って誰かに頼ることが多いのですが、研修の時みたいに、声をかけられる距離感に先輩方がいてくれることがどれほどありがたいか、在宅勤務になって分かりました。
S.M:それは私でも同じだよ。パソコンの調子が悪いとき、スタジオ内なら詳しい人にちょっと見てもらえば解決していたけど、今ではまず自分で調べて、分からなかったら相手の手が空くのを待ってオンラインツールで助けを求めて、画面共有して…と、数時間ロスしてしまうこともあります。
M.M:なので、画面共有のやり方はしっかり覚えました!
S.M:今はオンラインインターンも受け入れていますが、インターンに参加いただく学生さんもまず画面共有のしかたが分からなくて困っていることもありますね。対面だったらちょっと横に行って教えられるのに、細やかな指導やチェックがしきれなくてもどかしい気持ちになります。
M.M:私は昨年オンラインインターンに参加したのですが、まだ感染者数も多くない時期で、対面とどちらがいいか選ばせてもらえました。当時は交通機関に乗るのも怖かったし、私が誰かにうつしてしまうかもしれないのも怖くてオンラインを選択しました。今後どうなるか分かりませんが、オンラインインターンができたことはスタジオの事やゲームのグラフィック制作についてを知るいい機会になりましたし、不安があればきちんと耳を傾けてもらえたのがありがたかったです。
S.M:状況次第ではありますが、今後対面がいいということであれば、対応できるようにしたいですね。今は在宅勤務しているスタッフが多いので普段通りとはいきませんが、会社の雰囲気に少しでも触れたい人もいるでしょうし。
M.M:でも、オンラインでの採用活動が広まったことで、就活生にはメリットもありましたよ。遠方の会社の説明会や面接にも気軽に参加できて、コストをかけずに選択の幅が広げられました。せっかくなのでオンラインでの就活も残ってほしいなとは思います。
これからどのような働き方が一番いいと思いますか?
S.M:お話していたように、在宅勤務はメリットとデメリットがあります。私たちの仕事にとって、個々人が理想的な作業環境を作れる在宅勤務は、集中して作業したい日にはとてもいいです。仕事だけでなく、質の高い休憩もとれるので効率もいい。
M.M:私も集中はしやすいなと思います。でも、ある程度完成したときや、壁にぶつかったとき、この方向性でよかったのかな?と不安になってしまうんですよね。
S.M:そりゃそうだよね。状況が落ち着いたらプロジェクトごとでもいいから週に数回は出社して、リアルなコミュニケーションが取れる環境は必要だと思います。全スタッフが揃う場も欲しいですね。まだまだ手探りなことばかりですが、出社と在宅、いいとこ取りができたらいいと思います。