同じプロジェクトで同じ業務を担当する
先輩と後輩。
刺激し合えるお互いの関係性や、
今後めざす姿について話してあって
もらいました。
今のプロジェクトとお二人のお仕事内容について教えてください。
R.M.:スマートフォンゲームのプロジェクトで、モーションやエフェクトの制作を担当しています。
K.S.:具体的には、演出・仕様に沿ってキャラクターモデルにモーションやカメラワークをつけ、そのあとUnityでエフェクトをつけるという流れです。
R.M.:現在、アーティスト5名がチームになり、エフェクトをリーダーが、モーションをKさんともう一人がチェックする体制を組んでいます。新人の私が制作したものは全てKさんにチェックしてもらっていますよね。
K.S.:そうですね。ついに後輩を持つ身になって、今まで自分がしてきてもらったようにやろうとしていますが・・・どう修正指示をだしたらいいのか、イメージを言語化して伝えるのが難しくて苦戦しています・・・。腕の角度をもう少し変えたほうがかっこいいとか、できるだけ具体的に細かく言ってみてるんだけど、どう?
R.M.:分かりやすく添削していただいていますよ!修正意図と合ってるかな?って迷うこともありますけど、Kさんが手を入れてくださったものを見て答え合わせができている感じです。ピンときていない時は、漫画やアニメから似た性格や技を使うキャラクターを例に出してきてくれるのが分かりやすいです。
K.S.:そう?よかった…
R.M.:この際聞いちゃいますけど、どうですか?私が制作するキャラクターの動きは?(笑)
K.S.:ゲームの世界観に対しての正解ってあると思うし、3Dツールにも慣れていない入社直後はダメ出しも多かったと思うけど、最近あんまり言うことないよ。
R.M.:進歩してるってことですか?
K.S.:うん、してる。
R.M.:嬉しい~!それが聞きたかったんです!
アーティストを目指す人に、アドバイスなどはありますか?
R.M.:私は入社後にエフェクトを初めて作るようになって、最近3Dツールを使いこなせるようになってきたんですけど、在学中に使えるようになっていたほうが良いんですかね?
K.S.:僕も3Dツールは入社後に覚えた。機会があるのならツールに触れてみるのは良いと思うけど、絶対できないといけないってことはないと思います。Mさんは少し前から在宅勤務に切り替わったけど、不安なこととかない?
R.M.:今はないですね。疑問に思ったらすぐにチャットで聞いて解決できているので。むしろ家のほうが、モーションの参考動画を思いっきり自分で動いて撮影できるのでやりやすくなった部分もあります。かっこいいキャラクターはともかく、妖艶なキャラクターの動きを会社でするには恥じらいが捨てきれず…
K.S.:ああ、僕も会社にいたときは隅っこで動いてた。撮影まではしないけど、確かに家では歩き回ったりしてる。モーションを作っている最中に分からない部分があったら、それが一番だよね。
R.M.:はい、研修の時に、実際に動いてみると分かりやすいよって言われて始めました。人外の動きは参考になるアニメを見て補完していますね。
K.S.:人間では無理な動きは、入りと終わりだけ自分で動いてみると分かりやすいよ。
R.M.:なるほど!
K.S.:他にアドバイスとなると、とにかく漫画やアニメ、映画など色んなものを見て、インプットを増やしていくことかなと思います。
R.M.:Kさんは本当に色々なものを見ているから、引き出しが多いですよね。例えに「あのキャラクターのあの攻撃技のシーン」とか事例をパパっと出してくれるんですけど、原作を知らなくてその場ですぐ理解できないこともあって、私はまだまだ引き出しが足りないなーって思うんです。知っていればそのあと調べて理解して…っていう手間も時間のロスもなくなるのに、と歯がゆい思いをすることもあるから、インプットはしておいて損はないなと思いますね。
K.S.:学生の間のほうが、インプットに仕える時間は山のようにあるしね。何度も繰り返し見るような好きなシーンは絶対頭に残るし、仕事の上でも財産です。
モーションやエフェクトのセンスや技術を磨くためにしていることはありますか?
R.M.:私は他の人が完成させたエフェクトやモーションを必ず見るようにしています。上手いなぁ~って思いながら何が良いのか1つずつ観察して思うことを書き起こして自分への指摘と合わせて見返していると、毎日勉強になりますね。
K.S.:僕はさっきの話とかぶりますが、漫画、アニメを見ることですね。とにかくインプットを大切にしています。
R.M.:私はKさんが例示してくれて、資料として初めて知るタイトルも多いです。そうそう、資料探しってどうやってますか?
K.S.:例えば剣とかオノとか、今から扱う武器を使っているアニメの作画シーンの動画を探したりするかな。僕は作業に入る前にまず、頭にあるイメージを絵コンテに書き起こすんだけど、それを見ながら「この武器のこの感じはあのアニメで似たものがあったな」と、記憶を確認しに行くような感じです。
R.M.:記憶しているというのが強いですよね。やっぱりアニメーションの戦闘シーンを参考にして作るのが早いですか?
K.S.:僕はそうですね。実写映画を参考にする人も多いと思います。
R.M.:実写とアニメのモーションで、Kさんの中で何か違いってあります?
K.S.:アニメーションや漫画のほうが実写より、画面の中の動きに緩急やデフォルメがより付いているかな。ゲームキャラクターを演出するなら、僕はアニメのほうが参考にしやすいです。元々動画でも漫画でも、シーン全体の見せ方を見るのが好きだったのが今すごく生かせていますね。
R.M.:私は好きなキャラクターに感情移入しながらストーリーを追うんですけど、Kさんは画面の構図とか演出を追ってるってことですか?
K.S.:そうそう。このバトルシーン、このアングルからこういうモーションを見せて、こういうエフェクトで技を表現してるのがいいな、とか。
R.M.:そういう視点で漫画やアニメを見るっていうことがめっちゃ新鮮!
K.S.:学生時代はここまで意識しながら、アニメや漫画を見ていなかったから入社してから身についた特技かも。入社してからでも勉強したり、磨けることは沢山あるから自分も刺激をもらって吸収しながら、ユーザーが見た時に魅了されるような演出が出来る様になりたいです!
今後はどんな仕事をしていきたいですか?
K.S.:できれば僕は、モーションとエフェクトを極めていきたいです。もっと頭の中にあるエフェクトをそのまま再現したいし、キャラクターの個性に合わせたモーションをつけられる方法もあると思う。
R.M.:私はもっといろんなことができるようになりたいという気持ちが一番です。制作スキルとしては今、別のプロジェクトにも参加できるようにモデリングの練習もしてほしいって言われて勉強し始めました。キャラクターモデリングにも興味があったので、やらせてもらえそうなのは嬉しいです。
K.S.:本人の志向は結構しっかり見てくれているよね。やりたいことをやらせてくれる環境でもあるし、先輩方が得意なことを見極めて、個性を伸ばせる方向に導いてくれる。
R.M.:研修のつもりで制作したものが、とてもカッコよく出来ていたので実際にゲームに使われたと聞いています(笑)。責任ある仕事を早いうちから任せてもらえますよね。私はクライアントとのやりとりで役立つようにコミュニケーションスキルも鍛えたいなと思って、採用説明会に同行したり、ポートフォリオの添削をさせてもらったりもしています。
K.S.:学生の方が出してくるポートフォリオはすごいよね。僕も添削したことあるけど、自分の学生時代よりツールを使いこなしていたりして、驚く事があるよ。
R.M.:そうなんです! 私も自分の学生時代を振り返っても成長しないといけない所は沢山あったなと、でも任せてもらえたことは嬉しくて。
K.S.:自分ももっとやらないとって刺激ももらえるしね。「やってみて」と任される仕事は、スキルやキャリアを延ばす上で必要なことが多い。やりたいと声を上げて叶う仕事と両立しつつ、自分の力を磨いていきたいですね。
R.M.:Kさんはきっかけを見つけたら、明日にでもまた制作するものがランクアップしてそうですけどね。私も声がかかる仕事は全部引き受けていって、自分の幅を広げたいです!